胸を鍛える種目として真っ先に思いつくのが、腕立て伏せやベンチプレスなどの押す運動だと言う方も多いのではないでしょうか。
畳一畳分のスペースがあればどこにいても行える腕立て伏せ、ジムなどでは埋まっている事が多いベンチプレスは胸を鍛えるトレーニングの代表格でもあります。
ですが、必ずしも押す動作をメインとした運動だけが胸を鍛えるトレーニングではありません。今回紹介するダンベルフライも、大胸筋の肥大には欠かす事が出来ない種目になります。
それでは、今回は自宅でもベンチとダンベルさえあれば誰でも行えるダンベルフライのやり方を、筋トレ初心者さんにも分かりやすく伝えて行けたらな、と思います。
Contents
ダンベルフライの正しいやり方
1.鍛える重量のダンベルを用意する
まずは、ダンベルフライで大胸筋に刺激を与えられる重量のダンベルを用意するところから始まります。
まだ1回もやった事が無いと言う方であれば、重量を決める前に軽くダンベルフライを実践してみて、効かせられそうな重さを予め見つけておきましょう。
あまりに負荷が大きいと、大胸筋に効かせられなくなってしまう他、崩れた悪いフォームが身に付いてしまう恐れがありますので、無理なく正しいフォームで行える重量を選びます。
2.スタートポジションは胸の前
ゆっくりと仰向けになりながら腕を伸ばし、ダンベルが胸の前に来た所がダンベルフライのスタートポジションになります。
この時頭とお尻、さらには両足がきちんと接地しているかを確認して下さい。正しいやり方で行うためには、ダンベルの重さに振り回されない安定した土台が重要です。
頭が浮いている、お尻が付いていないなどは、ただでさえ不安定なダンベルフライですから、バランスを崩し大胸筋に効かせられない原因になってしまいますので気を付けましょう。
3.肩甲骨は寄せて胸を張る事
ダンベルフライで大胸筋に刺激を与えるためには、肩甲骨を寄せて固定し、胸を張ると言うフォームを作る事で効かせる事が出来ます。
これはダンベルフライだけでなく、別の胸を鍛えるトレーニングでも同じですね。ベンチプレスでもディップスなどの運動でも同様のフォームが求められる訳です。
動作前だけ肩甲骨を寄せれば良いと言う訳でもなく、もちろんダンベルを降ろして胸をストレッチさせている間も、肩甲骨が離れないように意識をしておきます。
4.肘を曲げたまま息を吸いながら下ろす
スタートポジションでは腕を伸ばした状態でしたが、ダンベルを下ろしていく際にはほんの少しだけ肘を曲げるようにして、ダンベルフライを行っていきます。
肘を伸ばしたまま動作を行ってしまいますと、肩の筋肉や上腕二頭筋のストレッチが強くなり、狙った大胸筋に対して意識が向かなくなってしまうと言う可能性があります。
腕を伸ばした方が負荷が高まって効きやすいイメージはありますが、必ずしもそうであるとは言えませんので、肘は曲げた状態を固定したまま下ろしていくようにします。
そしてこの時も呼吸を忘れないように。自然に息を吸って腹圧を高めていく事でより胸が張れるようになります。呼吸を止めると、何より苦しいですし終わった後に頭痛が起きる事も・・・。
下ろす位置については、胸のラインとダンベルとが平行になる位置を目安に下ろしていきましょう。もちろん、肩関節が硬いと言う方は無理して下ろさなくても大丈夫。筋トレと同時に柔軟性も高めて行きましょう!
5.息を吐きながら孤を描くように持ち上げる
ダンベルを深く下ろしましたら、次は吸った息をフーっと吐きながら大胸筋を収縮させていくつもりで、孤を描くかのような軌道で持ち上げて行きましょう。
この時も猫背になって肩が身体の前方に行かないように、スタートポジションで作った姿勢を崩さないように、ダンベルフライを行っていく事を意識しましょう。
トップポジションではダンベル同士をカチャンと密着させる必要はなく、ほんの少しだけ間を空ける程度のところまで上げて行きます。これでダンベルフライの1回の動作が終了になります。
重量はどれぐらいに設定すべき?
ダンベルフライで扱う重量はそれほど重くする必要はありません。
特にベンチプレスのような大胸筋だけでなく、肩や上腕三頭筋の筋肉が補助的に使われる運動に対して、ダンベルフライでは主に大胸筋のみを動かして鍛えて行くトレーニングです。
あまりに自分の限界以上のダンベルで動作を行ってしまいますと、狙った筋肉に効かせる事が出来ずに、逆に肩や肘関節などを傷めてしまう原因になってしまうので注意して下さいね。
目安は8~12回程度で限界を迎えるような重量でダンベルフライを行う事が理想であると言えます。その時ももちろん、大胸筋の収縮をきちんと感じられている事が最低条件になりますけどね。
ベンチプレスの後に行うのが効果的!
ダンベルフライはどちらかと言うと、それそのものをメインのトレーニングとして行うのではなくて、ベンチプレスで追い込んだ後にさらに追い込みたい時に鍛えて行くのが一般的です。
本格的に身体を鍛えているボディビルダーやフィジークの方たちも、まずは筋肥大をするための重量で大胸筋をパンプアップさせ、その後にダンベルフライで追い込むトレーニングをしている事が多いです。
先ほどにも書きましたが、ダンベルフライでは大胸筋を中心に鍛える事が出来、ベンチプレスとは違って肩や三頭筋が関与しないので、乳酸を出したい時にはもってこいの種目となっています。
そうなるとダンベルフライでは、重量にはあまり拘らなくても良いと言うのも答えであるかのように思えます。大胸筋をきちんとオールアウト出来る重量で、正しいフォームで追い込んでいく。これが筋肥大への1番の近道です。
女性は何kgでダンベルフライを始めるべき?
最近では女性の方もウォーキングなどの有酸素運動だけでなく、ダンベルフライを始めとした筋力トレーニングに取り組んでいると言う方も多いです。
女性の場合は男性とは違い筋力が低いと言う事もあり、プレートを1枚も付けていない2.5kgの状態でもかなり持ち上げるのがきつく感じるかもしれません。
もし、5回ぐらいで限界が来てしまうようであれば、シャフトではなく1リットルのペットボトルからダンベルフライを始めてみましょう。ペットボトルはお金が掛からないダンベルとして、女性にとっては非常に有効です!
また、もし自宅でダンベルを購入して家でトレーニングを行うのであれば、重量が固定されたダンベルではなく、重量が変更できるタイプのダンベルをおすすめします。
と言うのも1kgのダンベルも売られており、確かに最初の内はこれだけでもきついと思います。ですが、1kg程度であればペットボトルでも代用出来ますし、何より筋肉すぐに慣れてしまうんです。
理想の体型になるためにはある程度の負荷が必要になってくるので、1kgのダンベルだと体型の変化を感じるまでが長くなってしまう可能性があります。
2.5kg、5.0kg、7.5kg、10.0kgと重量が変えられるダンベルであれば、自分の体力に合わせたトレーニングが行えるようになりますので、よりスピーディにボディメイクを行う事が出来ます。
ダンベルフライだけでなく、全身を鍛えるためのデッドリフトやスクワットでもダンベルは必要になってきますので、もしまだ自宅で鍛えたいけどダンベルが無いと言うようであれば、可変式のダンベルをお勧めいたします。
インクラインなどバリエーションを付けていく
基本的にはフラットベンチを用いてダンベルフライを行っていきます。
ただ、何も地面と平行な角度でしか行ってはいけないと言う訳ではなく、ベンチプレス同様角度を付けてダンベルフライを行ってもより効果を感じられると思います。
いわゆるインクラインダンベルフライですね。角度を付ける事で、大胸筋の上部に刺激を行き渡らせる事が出来ますので、より美しい胸の形を作りたい時はたまにはインクラインダンベルフライも試してみてはいかがでしょう。
同じ筋トレをずーっと続けていても、いつか筋肉が発達しなくなる停滞期が訪れるものですが、色んな角度から筋肉を刺激して上げる事で、この停滞期をなるべく早く抜ける事が可能になります。
インクラインダンベルフライになっても基本的なやり方は同じです。肩甲骨を寄せて胸を張る。ただ、ベンチと垂直になるように上げずに、角度が付いても地面と垂直にダンベルを動かしていく事が求められます。
ダンベルフライで大胸筋に効かせるコツは?
1.肩が上がらないように意識をする
ダンベルフライで大胸筋ではなく肩に効いてしまうと言う方は、もしかしたら動作中に無意識の内に肩の位置が高くなってしまっているかもしれません。
ダンベルフライで大胸筋から刺激が逃げないようにするためには、まずは肩が上がらずほぼ一定の位置をキープしている事が大切になります。
高重量は挙げられる種目ではないにしろ、ベンチプレスで追い込んだ後に行うなど回数をこなしていくと次第に疲れてきて、大胸筋のパンプアップもピークを迎えてきます。
そうなるとどうしても刺激から逃げたくなって肩が上がってしまいますが、肩が上がると本来大胸筋に効くはずだった刺激が、肩や別の筋肉に分散されてしまいます。
苦しくて逃げたくなる気持ちはすごく分かりますが、立派な胸を手に入れたいのであれば、動作中は肩が上がらない事を意識しましょう。どうしても苦しくなった時は、呼吸を行い酸素をきちんと摂りいれながらダンベルフライを行うと効果的ですよ。
2.肘は軽く曲がった状態をキープしておく
肘を伸ばした状態でダンベルフライを行うと、重りが身体の中心よりも遠くにあるため、より効果が出そうな気がしますが実際にはそんな事はありません。
むしろ肘を伸ばしたままですと、三角筋や上腕二頭筋に力が分散されてしまいますので、効率良く大胸筋を鍛える事が難しくなってしまうんです。
特に肩関節が硬い方の場合、すぐに肩を傷めてしまい高重量でのトレーニングが出来なくなってしまいます。防げる怪我や故障って出来る限りしたくはないですよね。
そのため、肘は100~120度曲がった状態をキープしながらダンベルフライを行ってみましょう。ダンベルフライなのに大胸筋ではなく腕が先に疲れると言う方は、もしかしたら肘が伸びている可能性が高いです。