大胸筋を鍛える運動として最も知られているのが、ベンチプレスや腕立て伏せのプレス系の運動。ジムや自宅で鍛えている方も多いのではないでしょうか!

ただ、ベンチプレスはベンチやバーベル、ダンベルが無ければ鍛えられませんし、腕立て伏せは慣れてしまえば刺激が物足りなくなってきてしまいますよね。

そんな時に胸を鍛えるトレーニングとして加えて行きたいのがディップス!特別な器具は特に必要なく、イスの背もたれさえあれば自宅でも鍛えられるトレーニングです。

今回はそんなディップスの正しいやり方や、回数、さらには効かせるためのポイントなどについて、初心者さんにも分かりやすく解説をして行こうと思います。

ディップスの正しいやり方

1.平行棒に手を置き身体を支える

まずは、ディップススタンドやイスの背もたれに手を置き、身体を支えるところからディップスは始まります。

筋トレ初心者の方や、体力が無い、体重が重い方の場合ですと、これだけでも大胸筋や上腕三頭筋にかなりの刺激が加わっている事を実感出来ると思います。

ここで力を込めるのは大胸筋や二の腕だけではなく、腹筋や背筋などの体幹、さらにはお尻周りの筋肉にも力を入れておくと、安定した状態でディップスを行う事が出来ますよ。

2.息を吸い大胸筋のストレッチを感じながら下ろしていく

腕だけで支えて上体が安定しましたら、息を吸いながら肘を曲げて身体を下へと下ろしていきましょう。

この時に上半身は地面と垂直になるのではなく、角度的には15~30度を目安に前方へと傾ける事で大胸筋の収縮を感じやすくなります。

姿勢はしっかりと肩甲骨を寄せて胸を張る事を意識。猫背になってしまうと胸が張れなくなってしまいますので、大胸筋が引き伸ばされている感覚を味わう事が出来なくなります。

肘の角度がおよそ90度前後になるまで下ろしていきます。

3.息を吐きながら上半身の角度はそのままで上げて行く

90度になるまで肘を曲げ終えましたら、次はフーッと息を吐きながら肘を伸ばしていきましょう。

上腕三頭筋をメインにしたディップスであれば二の腕の力を使い、大胸筋をメインにするのであれば胸の筋肉を締め上げるイメージでディップスを行うと効果的です。

この時も上半身の角度は15~30度をキープしたまま行い、前に倒れたり後ろに倒れたりしないように腹筋などの体幹の筋肉で支える意識を持ちながら行います。

腕が伸びきる一歩手前でキープしておく事で、上腕三頭筋にかかる負荷が抜けなくなりますので、腕は完全に伸ばしきらないようにしておくと効果的です。

これでディップスの1回の動作が終了になります。再び肘を曲げて行きながら、初心者であればこの動作を10~15回を3セットを目安にして行ってみましょう。

ディップスで効かせるための姿勢や注意点は?

1.反動は使わない

ディップスを行う際に、脚を動かして反動を利用して身体を上げて行くのはあまりやらない方が良いです。

やはりしっかりと大胸筋、もしくは上腕三頭筋にピンポイントに効かせていきたいのであれば、肘を曲げる以外の身体の動きは極力抑えておきましょう。

特に反動を使うフォームに慣れてしまうと、なかなかストリクトな動作でのディップスの効かせ方が分からなくなってしまい、大胸筋に効かせたいのに上腕三頭筋・三角筋ばかりに刺激が行ってしまうと言う事もあります。

ネガティブ動作を意識するために反動を利用して上げると言う方法もありますが、初心者さんの内であれば、筋肉に効かせる感覚を覚えるためにも、しっかりと下ろす動作と上げる動作を反動無しで行う事をおすすめします。

2.常に前傾させたままディップスを行う

身体を沈める時は前傾の姿勢をキープ出来るんだけど、肘を伸ばして上体を上げて行く時に身体が起き上がってしまうと言う方もいらっしゃいます。

こうなってしまうと大胸筋を収縮させにくくなってしまう上、バランスを崩して身体全体が揺れるしまう原因にも繋がってしまいますので、筋肉の発達が難しくなってしまうんです。

それだけでなく、三角筋が必要以上に引き伸ばされてしまいますので、身体が硬い方は間違ったディップスをしてしまうと、傷めてしまうなどの怪我や故障の原因にもなってしまいます。

そのため、ディップス中は常に身体を15度ぐらい前に傾けた状態を意識しながら行ってみましょう。初めの内は姿見を見ながら、自分の身体は今どれくらい傾いているのかを把握しておく事も大切です。

上半身と下半身が1本の棒になったつもりで、腹筋に力を入れながらディップスを行うと斜めでの姿勢が安定するようになるはず!

3.ストンではなく、ネガティブ動作を意識

筋トレと言うと、どうしても力を発揮する(筋肉を収縮させる)時ばかりに目が行ってしまいがちですが、筋肉を引き延ばしていく動作も怠ってはいけません。

ディップスで言えば、肘を曲げて行く時がこれにあたりますね。ストンと下ろして肘を伸ばしていく動作だけに力を入れるのではなく、肘を曲げて行く段階でも時間をかけて下ろしていき、大胸筋や上腕三頭筋のストレッチを感じられるかが筋肥大のポイント。

このような動作をネガティブ動作と言うのですが、回数を重ねて疲れてくるとどうしてもネガティブ動作が疎かになりがちですので、いかに集中出来るかが重要になってくる事を頭に入れておくと良いでしょう。

下ろす時間はかければかけるだけその分大胸筋にも刺激が入るようになります。下ろす時間の目安は3~10秒ぐらいで行うと効果的です。

4.肘は90度まで曲げる事

当然ですが、肘を曲げる位置が浅いとそれだけ効かせられる範囲も狭くなってしまいます。

体力が無く深く下ろすのがしんどい・・・と言う方以外であれば、最低でも90度は曲げるように意識をしながらディップスを行う事が大切です。

ディップスをすると肘や肩が痛くて下ろせない、と言う方の場合は、無理をしてディップスを行う必要はありません。ダンベルフライなどの単関節運動で大胸筋を鍛える事も出来ますので、こちらもお試しください。

結局、筋や関節の痛みを無理して堪えて筋トレをしても、怪我をしてしまう原因にしかならないですからね・・・。無理は禁物です。

大胸筋と上腕三頭筋への効かせ方

ディップスは、主に大胸筋の下部と上腕三頭筋を鍛える事が出来るトレーニングですが、そのやり方によっては胸に刺激が入るか腕に刺激が入るか変わってきます。

まずは大胸筋に負荷を加えるやり方なのですが、先ほどの注意点のところでも解説をしましたが、しっかりと身体を前傾させておく事で胸に刺激が入りやすくなります。

また、この2つの効かせ方で1番肝になってくるのが腕の開き具合です。腕立て伏せと全く同じ原理なのですが、脇を適度に開かせたままディップスを行うと大胸筋へ、脇を閉じたまま行うと上腕三頭筋と刺激が入ります。

上げる時も胸と腕、どちらを意識したやり方で行うのかも大切です。大胸筋であれば肘を伸ばしていく時に胸をキュって絞り込むように上げ、上腕三頭筋であれば三頭筋を絞り込むように上げて行く事で各狙った部位の強い収縮を感じられるようになります。

このように2つの筋肉に重点を置いたディップスのやり方もありますので、自分は大胸筋か上腕三頭筋どっちが弱いかによってやり方を変えていくのも良いですね。

ただ、上腕三頭筋は大胸筋に比べて小さい上に発達もしやすいですので、私的には大胸筋を意識したディップスを中心にして行く事をおすすめします。

家でディップスをする時は椅子を使ってみよう!

ディップスはディップススタンドと言う専用の器具があるのですが、必ずしも家で鍛える時はこのような器具が無ければ出来ない訳でもありません。

家にある身近なものでも簡単にこのディップススタンドの代わりとなりうる家具があります。それが椅子です。ただし背もたれ付きの椅子でないとディップスは出来ませんのでご注意下さい。

椅子同士を背中合わせに置き、背もたれに手を置いて後は普通のディップスのやり方を実践していくだけです。これだけでディップススタンド無しでも大胸筋や上腕三頭筋を鍛える事が出来ますよ。

ただし、やはり怪我の可能性もあります。左右の椅子に均等に体重が加わっていれば問題ありませんが、どちらか一方に体重が乗ってしまうと、バランスを崩し椅子が滑って転倒をしてしまう危険も。

まずは感覚を覚えるために椅子でディップスをしてみても良いですが、やはり安全面を考えると本格的に自宅で鍛えて行くのであれば、椅子ではなくディップススタンド、もしくは懸垂も行う事が出来るチンニングスタンドの購入をおすすめします。

体重制限もあるチンニングスタンドも中にはありますので、体重オーバーはしていないか購入前によく調べておくと良いでしょう。

自宅でディップスするならチンニングスタンドは必須!

椅子が無い時は公園で鍛えるのもあり

1人暮らしの方とかですと、椅子が一つだけしかなくてディップスをやりたくても出来ないと言うパターンもありますよね。

そんな時は先ほどのディップススタンド、チンニングスタンドを購入するか、近くにディップスが出来そうな遊具がある公園があれば、そこで鍛えてみるのも1つの方法です。

正直なところ、2つの平行な棒さえあればいつでもどこでもディップスは出来ますから、公園はまさに椅子やスタンドがないホームトレーニーにとっては最高な場所だと思います。

ただし、遊具によっては木で造られているものや錆びて金属片が剥き出しになっている遊具もあります。手を怪我しないためにも、あらかじめその遊具が安全かどうかを確認してからディップスを行うようにしてください。

ディップスでのバーの握り方は親指を掛ける事!

ディップスではバーをどのように握るべきか?と気になっている方も多いようですので、ここで解説をして行こうと思います。

バーの握り方には主に親指をかける一般的なものと、親指をバーにかけないサムレスグリップと呼ばれる握り方の2種類があります。

ラットプルダウンなどの広背筋を鍛えるトレーニングでは、サムレスグリップが使われる事も多いですが、ディップスにおいては通常の握り方をおすすめします。

と言うのもサムレスグリップでディップスをするのはかなり危険で、汗などで手が滑って転倒をしてしまったり、脇をバーに打ち付けて怪我をしてしまう可能性があるからです。

サムレスの方がディップスは効かせやすいと言う事でもありませんので、怪我防止のためにも、ディップスでバーを握る時は必ず親指をかけて行うようにして下さいね。

こんな記事もいかがでしょう?